広告代理店の話。中国でのネットの買い方は『徹底確認主義』である‼︎

見聞・通説
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中国のネットショップの天猫と京東の対決
中国のEC市場で80%を占める天猫と京東。

急激な成長を遂げる中国のオンライン市場。2019年4月に発表されたレポートを見ると、2018年度の中国の市場規模は約165兆円(1ドルを108円で計算)、続くアメリカでも57兆円、日本は12兆円規模を考えると、実に13.8であり、とんでもない規模である。

その中国国内での市場シェアは、1位はアリババグループの「天猫(Tmall)」2位は「京東(JD.com)」で80%を超えている。この2社で中国のECサイト市場はほぼ独占しているのである。ご存じの方も多いだろうが、2019年11月11日の独身の日の、アリババの1日での売り上げ規模は約4兆1000億円とある。日本の一部上場企業の何倍もの売上を、たった1日で…もうバケモノとしか言いようがない…。

結婚前のスタッフが、この独身の日に4万元(60万円)使ったと言う。私は詳しくは知らないが、商品が半額近くになるらしく、この日の午前0時から、一斉に買い物を始めて、午前3時位までネットで買い物をしたと言う。多くの消費者はこの様な感じで、この独身の日を狙って買い物をするのである。

しかし、本来、他人や商品を信用しないお国柄なのに、ネットでワンクリックで、高額商品など買うものだろうか!? と素朴な疑問が湧いてくるのだが、色々調べると、2004年に創始者のジャック・マーが作り上げた決算システムが大きく影響している様だ。先にユーザーから支払いを受け取り、預託としておき、実際に商品が届いて実物を確認してから、お金を受け取るという当時としては画期的なオンライン決済を築き上げたのだ。中国では、銀行が国有の環境下で『これまでで、一番バカバカしいアイディアだ』などと言われたそうだが、この仕組みのお陰で、ここまでの成長を遂げる事ができたのだろう。

ある日、世界的にも有名な広告代理店の担当者から、中国のオンライン市場について、説明を聞く機会があった。最も印象に残ったのは、『中国でのネットでの買い方は、徹底確認主義である。』という事である。たとえ、少額な商品でも徹底的に確認するらしい。

ネットサイト&評価 ⇔ ②その商品の会社のホームぺージ ⇔ ③Wechatの広告や評価

①〜③をグルグル閲覧して回るそうだ。会社のホームページに関しては、会社の格や歴史、モノ造り理念など、信用に値するか⁉ 本当に実在する会社か!? という確認までするらしい。特に広告以上に重視しているのは、購入者の評価、いわゆる口コミだという。

いかにも中国らしいなと思った。と言うのも、私の足で稼いだ市場調査の情報をまとめても、重視するのは、『ネットより親族・友達の口コミ』であったからである。また、友達より親族が信用度が高いのだが、理由を尋ねると『友達でも嘘をつくかもしれないが、親族は嘘をつく理由がない。』と言う人までいるのである。

中国のオンライン市場はまだまだ伸びるという。ネット人口9億人の市場で、チャイナドリームを掴むチャンスはまだまだあると思うのは私だけであろうか!? キーワードは『信用できる口コミ』か!?

余談であるが……

ここ近年、電子決済のクレジットスコアで、社会的信用の保証システムがユーザーロイヤリティーを高める仕組みとしても機能しているらしい。簡単に言うと、電子決済額でスコア化され、それが個人の社会的信用に繋がるといったシステムである。

スコアは最低が350点、最高が950点で、点数が高ければ低金利でローンを組めたり、賃貸物件の契約で敷金が不要になったり、医療を優先的に受けれたり、マッチングアプリにアピール出来たりといった特典があるそうだ。まるで、漫画の様な世界であるが、本当の話であるwww。

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