『フワちゃんを見てどう感じるか?』が中国ビジネスで活路を見出す

経済
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『フワちゃんを見てあなたはどの様に感じるか?』あなたのグローバル度が分かる質問。
『フワちゃんを見てあなたはどの様に感じるか?』あなたのグローバル度が分かる質問。

フワちゃんを見てどのように感じるか?あなたのグローバル度

ビジネスの世界で、よく笑い話で日本人は緊急事態であっても、先ずは本部に確認の電話をする…などと他国との比較で、小バカにされている事を聞いたことがある人も少なくないだろう。実際にルールや規律を遵守し、協調性やチームワークを重んじ、勤勉な気質は世界有数だと思うし、島国でありながら経済大国になった原動力のひとつとも言えるのも確かである。

加えて『侘び寂び』『阿吽の呼吸』『KY (空気読まない)』『遠慮の塊』『親しき仲にも礼儀あり』『おもてなし』など、日本独特の文化が発達している。なんて素晴らしい文化なのだろう〜!と世のオジサン達はそう感じるのは無理はない。この作法が美徳という教育を受けてきたからである。

一方で、最近テレビで引っ張りダコの『フワちゃん』を見て、どの様に感じるか?『上下関係なし』『だれとでもタメ口』『自己主張強め』『物怖じしない』『派手な衣装』『思った事を即行動』などが彼女のイメージであろうか!? これを見て『けしからん!』『不快』『どんな教育受けているんだ!』などと感じるなら、あなたはもう立派なオジサン(オバサン)の仲間入りであろうwww。

私は『”フワちゃんを見てどのように感じるか?”は一種のグローバル度のバロメーターになるのでは?』と考える。 『不快・非常識』と思った人はグローバル度が低く、『面白い・カッコイイ』と思った人はグローバル度は高いと考えている。

というのも、彼女の行動や振る舞いは、世界基準で当てはめると普通の行動に近いのである。もちろん、やり過ぎなところもあるが、日本の美徳が一番と考えて譲らない輩(やから)と比較すると、彼女の強めの自己主張や立ち振る舞いこそが、グローバルに近いと言えよう。しかも彼女は見かけによらず、大卒・帰国子女である。海外での生活で『日本の美徳では通じない』ことを学んだ可能性は大いにあるだろう。また、近年のオリンピックでも『物怖じしない新人類と言われる日本の若者が世界で通用する』と持て囃されていることも証明の一つかも知れない。

日本の美徳は中国では通じるか?

中国で商売をしている日系企業のほとんどが、上手くいっていないという。なぜなのだろうか⁉︎ 中国的なビジネス的発想といえば、一党独裁、星の数ほどの競合メーカー、玉石混交の環境下で、超合理的な発想…上に政策あれば下に対策ありと言われるくらい、法すれすれのやり方や方法を見つけ出し、スピーディーに対策する。 計画はソコソコ、先ずはやってみて、ダメなら修正すればいい精神である。長期スパンで綿密な計画を立てたとしても、明日政府から鶴の一声が出ると、全てがオジャンになる環境下であり、計画自体を重んじない気質がある。だから『先ずはやってみよう! 規制が出たらその時柔軟に考えよう‼ 』という事になる。

では、この中国ビジネス界に、日本の美徳気質をそのまま中国に持ってきた場合はどうなるだろうか。言わずもがなである。真面目にコツコツ綿密な計画を立てて、きっちり採算ベースで事業を展開する事自体は悪くないが、相手が相手である。日本は美徳教育から、正統・性善説であり、相手は取り巻く環境から変則・性悪説である。騙される方が悪い世界である。華僑に代表されるように、商売人としては、一枚も二枚も上手と考えて、対処する方が上手くいく様に思う。

私もアホだった〜 日本人を褒めちぎる話

いや~今思うと私もアホだった~。中国に来てから長らくの間、2~3年間ぐらいであろうか、言葉もロクにしゃべれなかったという事もあるが、初めてあった人やクライアントとの飲み会の席などで『日本人はスゴイ! 世界的にスゴイ!! 真面目で勤勉‼ 』などと、お褒めの言葉を言われる事が多かった。『ヘェ~、そうなのかな⁉ そういう風に感じるんだ~ エヘヘ〜』と受け止めていて、あえて否定もしなかった事が、今思うと顔から火が出るくらい恥ずかしい…。

よくよく考えれば、今や中国は世界経済大国2位、日本はダブルスコア以上に引き離されている状況。技術的に見ても5Gや電子決済の普及、ブロックチェーンへの早期取り組みなど、目覚しい発展を遂げているのである。昔は中国に多くを学んだ日本、ひと昔前は日本から学ぶ事も多かったであろうが、近年に至っては、再び中国から学ぶ事も多くなっている様に思う。

こういった背景を踏まえて、日本人を褒めちぎる行為については、皮肉・逆説である。『昔は負けていたが、今は中国の方が凄い。日本人はお人好しで単純だから褒めておけば喜ぶ』である。ここまでは無いにしても、そういった背景が、愛国心の強い彼らの心の片隅にありながら褒めているのは間違いない‼ そういうことも分からずに、当時の私はバカ正直に喜んでいたのである。

今、自分自身を振り返ると、やはり頭の片隅に『日本が上、中国が下』という考えが無意識にあったのであろう。『褒められて当然』的な傲慢さや傲りがあった様に思う… やはり、アホだったのである。

『日本の常識が世界の常識ではない』を腹落ちさせよう

中国でビジネスで成功を収めるには、どうしたら良いのだろうか!? そんなことが分かれば誰も苦労しないのだが、一つ言えることは『日本の常識が世界の常識ではない』ということを認識することから始めるのがいいのではないだろうか。誤解を恐れず言い換えると『日本常識はかなり世界からズレている』である。私も海外での生活を通じて、外から日本を俯瞰する事が出来て、ようやくこの言葉が腹落ちする様になった。昔もおそらく聞いた事がある言葉だったと思うし、分かっているつもりだったが、その真意が全く理解出来ていなかったことを、今だから思うのである。

また、日本の美徳も同じで、『遠慮』や『阿吽の呼吸』、『自己主張しない』などは、反対に足かせとなる。島国の単一民族が生み出した独特の文化ということを認識しよう。単一民族の日本の美徳は多民族国家ではほぼ通じない。『しっかりと自分の意見は遠慮なく言う』、言葉にして自分の考えや気持ちを伝えないと周囲には全く理解されないのである。たとえ自己主張して間違っていても、それも受け入れる風土があるので、全く気にする必要はない。日本みたいに『あいつはKY (空気読めない)か?』などと陰口を叩く方がおかしいと思う様にした方が良い。

彗星の如く現れたフワちゃんであるが、かなりのグローバル人材である。彼女のグローバル的な良いところと、日本の残すべき美徳を使い分けながら、中国でのビジネスの成功に繋がる様に、日々努力し実行するのが最良の道であろう。

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