さあ結婚!上海在住、重慶出身のホワイトカラー28歳独身男性の苦悩!

男女間習慣
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福が逆さまの文字イラスト
福の字が逆さまで、福倒了(フーダオラ)=直訳すると「福が転んだ」と言う意味だが、中文の意味で「福が到着した」で「福が来た」と言う縁起がいい意味で使われる。

中国も先進国化が進み、ご多聞に漏れず、晩婚化が進んでいる。現時点では、日本ほどではないにせよ、都市部など男女が30代になってから結婚するケースが当たり前の様である。その要因は様々であるが、少し日本の独身貴族とは、意味合いが違っている様である。

結婚しない/出来ない理由

   ①将来的な経済的不安

   ②結婚初期投資金が準備ができない

   ③上京で都市部で仕事をしているが、両親の面倒を考えると地元に帰るべき

   ④社会競争ストレス、生活ストレスによる恋愛感情の薄れ

   ⑤一人っ子政策による男性過多

   ⑥教育レベルが上がり、自己実現欲求の高まり

独自視点も混じっているが、大まかに言うと上記の様な事が主な要因であろう。それでも昔気質の両親は『20歳を超えたら結婚するべき』と考えており、帰省の時など結婚について、とやかく言うので、今の若者にとっては煩わしいらしい。帰省時にだけ恋人になるレンタル彼女/彼氏なども、噂では聞いているほどであるwww。

私が実際に聞いた話で言うと、上海の30歳独身女性スタッフから『彼氏はお母さんが探している』とか、山東省田舎出身の社長から『今の奥さんは16歳の時の許嫁』など、なかなかユニークな話も聞いた事がある。伝統風習と現代風が混じる過渡期といえよう。

私が重慶出身の独身男性と市場調査に行った時の話である。彼は重慶出身でありながら、上海で仕事をしている28歳である。趣味はメカいじりで、性格は真面目で、大人しい。モテそうな好青年であるが彼女はいない。その彼が口癖の様に『プレッシャーが大きい、プレッシャーが大きい』と念仏の様に繰り返すのである。当然気になり『何がプレッシャーなんだ!? 』と聞いてみた。

彼曰く『もう結婚適齢期なのだが、ここ上海では、お金もたまらないし、彼女も出来ない。』と言う。なるほどである。かなり深刻な問題である事は、すぐに理解出来た。というのも、中国では結婚する時に、男性側は『マイホームと車を購入する事が暗黙の条件』となっている。昔なら親がポンとマイホームを息子に買ってやる事が通例だったようだが、不動産の高騰により、とてもその様な事も期待できず、最近では、頭金は親に出してもらい、夫婦でローンを組んで返済するパターンが主流の様だ。ローンと言っても20年ローンが一般的、金利も3〜5%と高く、日本より短く毎月の返済がかなり高額な事が多い。実際にある新婚男性スタッフに聞いたら、夫婦の収入の半分ぐらいで、旦那の給料の全額に近い金額を返済に当てているとのこと。収入が旦那と奥さんのダブルツインカムでないと、とても生活出来ない。車も都市部では必要がないくらい便利であるし、駐車場や保険への加入など、維持費も結構掛かるが、面子の部分も大きいのだろう。昔はバイクでよかったのだが、最近では車を購入しないと面子が立たない様である。

さらに加えて、子供ができたら教育費に結構かける。都市部では教育ママが多い。都市部は教育水準が地方より高いから、子供と母親だけわざわざ都市部に住まわせるケースも少なくない。教育熱心なので、学校とは別に塾や習い事に精を出すのである。一人がやればみんなやり出す。ここは中国、競争社会。周囲から遅れることを嫌うお国柄、小1で40分で350元(5250円)の英会話教室に通わせている話も聞いた事がある。一人っ子政策が解除されても、多くの夫婦が二人目を作らない理由である。

話を戻すが、28歳の彼はこういった様々な理由で、プレッシャーを感じていたのである。彼ばかりではない、地方出身者で都市部に勤務している若者のほとんどは、不動産価格が青天井の上海の様な都市部では結婚できないので、地方都市や、地元に戻る若者も後を絶たないのである。会社としては、入社して、5~8年目で、ちょうど仕事も覚えて戦力になり掛けた頃に転職となるので、堪ったものじゃないが、彼らからすると、人生設計が描けないのである。どの企業も抱える問題であるが、給料の低い高いの問題だけでなく、このような課題もあるのも事実のようである。

このように、中国では結婚する時には、男性の方が負担が遥かに大きい様に思う。親の負担も娘より、息子の方が負担が大きいのだが、田舎など家督的な意味合いも強く、息子を欲しがる傾向にある。経済発展を成し遂げると同時に地域格差を生んでしまった中国。このような問題を解決すべく、出来るだけ早く、手をうつべきであろう。

最近の中国は、世界各国と軋轢が生じているのに加えて、内部の課題も山積みである。どう舵を取るかで、中国が真の先進国になるかどうかの岐路に差し掛かっている。もう、短期的な行き当たりばったりの政策では、国民が振り回されるばかりである。

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