中国 重慶で初めて歯医者に行った時の奇妙奇天烈な話

医療
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医者のイラストと『歯は2本まとめて、抜くしか無いよ』の言葉
重慶の歯医者で言われた言葉『歯は2本まとめて、抜くしか無いよ』いやいや…

外国人医療対応のリアル

中国の医療体制は地域格差が結構ある。直轄市同士の上海と重慶と比べてもかなりの格差がある様に思う。特に外国人の我々にとっては雲泥の差である。上海では、病院数も多く、自分一人でも医者に行くことが出来るし、日本語対応も可能で、日本の医師もいる事も多い。重慶はというと、ある健康管理会社に連絡をして、通訳と待ち合わせをして、中国人のみの医者に行く。といった具合である。直轄市でもこのレベルなのだから、地方都市など、さながら野戦病院並だと安易に想像がつくのである。中国の病院は、どの都市でも人口の割に少なく、いつも病院の前は人でごった返している。医療レベルも到底高いとは思えない。まだまだ発展途上の段階であろう。

医師との奇天烈な会話

食品は多少のことなら諦めはつくが、さすがに医療だけは、慎重にならざるを得ないので、良い医者に診てもらいたいのだが、医者もあまり信用できないのが現状である。ましてや重慶、出来ることなら行きたくないのが本音である。

しかし、病気や怪我は自分でコントロール出来ない。ある日、奥歯がとても痛くなった。2~3日我慢したのだが、まだ痛い。重慶で『医者に掛かりたくない』という思いから、次の日本帰国日まで何日あるか!? も調べたが、2ヶ月以上ある…。とうとう我慢できなくなり、重慶の歯医者に行くことにしたのである。

健康管理会社の通訳と待ち合わせをして、担当者が薦める”遠いが有名な歯医者”に行くことにしたのである。入ると、オープンテラスで、南国リゾートみたいな待合室。歯医者なのに、治療を受ける前に茶菓子を出してくれるwww。『これはおかしいぞ。』と胡散臭さを感じ始めるのである。入ると30代ぐらいの男性医師が出てきて、『先ずはレントゲンを撮ろう』という事になり、下記は、その写真を見ながら、医師との会話である。

医師: 『奥歯のその奥にもう一本、親知らずがある。医師として、できることは2本とも抜くしかない。』

私:  『いや、いや…親知らずは良いけど、奥歯はとても重要でしょ。』

医師: 『医者として、やれることはない。2本抜くしかない。』

私:  『いや、いや、奥歯が痛いのは何が原因なのか!? 親知らずか⁉』

医師: 『前の治療が悪すぎる‼ どうしようもできない。』

私:  『前の治療って、20年前の詰め物だ。20年も大丈夫だったんだけど…』

医師: 『医師としては、2本とも抜くしかない‼』

私:  『だから、親知らずが原因で奥歯が痛いのか!? なんなの?』

医師: 『前の治療が悪すぎるのだ‼ 医者として抜くしか提案できない。』

もうこれ以上、会話しても埒があかないので、最終的に治療は何もせず、炎症を抑える抗生物質の処方をしてもらうだけにしたのである。立ち去り際に、通訳が医師が口走った抗生物質の名前を、ポストイットに書き留めていたのだが、後々問題となるのであった。

抗生物質がもらえない奇妙な話

その歯医者には、レントゲン代200元のみ支払って、クスリは近隣の薬局でもらう手筈である。早速薬局に行ったのだが、『抗生物質は医師の処方箋が無いと出せません。』との事。日本も同じだから理解できるのだが、通訳は『次の薬局を探しましょう。』というのである。『いやいや、原因は医師から貰う処方箋が無い事でしょ。あなたのポストイットでは、どこへ行っても無理だよ。医者に戻って処方箋を書いてもらって。』と歯医者に戻ることにしたのである。

通訳と歯医者受付嬢との交渉が始まった。何やら主治医も参加し出している。待つ事20分。痺れを切らして『どうなってるの?』と聞くと、通訳からこっそり『プレゼント』と抗生物質が手渡された。『ん?この歯医者で抗生物質買えるの?さっきは無いから薬局に行ったんじゃ無いの?まあ、いいよ、じゃあ、お金出すよ。』『いやプレゼントです。』私『・・・』

訳がわからない…。時系列で整理すると、

①医師から『医者として親知らずと奥歯2本セットで抜く以外方法は無い』と言われ拒否

②医師は不機嫌になったが、レントゲン代200元のみ支払った

医者からは、処方箋もらえず抗生物質は薬局で購入して』と言われる

④薬局は『医者の処方箋がないと抗生物質は渡せない』と言われる

⑤医者で20分の交渉の末『抗生物質を無料でプレゼントとしてくれた』

本来の流れは、一体全体どうなっているのだろう……。

もう二度と重慶では医者に行かない‼︎

奥歯を簡単に抜こうとするし、抗生物質があるのに、処方箋も出さずに突っ返すなど、もうこうなると、歯を抜かずに帰ってしまった儲ける事が出来ないお客に対しての嫌がらせとしか思えない対応である。一般の中国人なら、ただの歯通くらいで、あのまま奥歯も抜いてしまうのだろうか!? そんな事を考えるとゾッとする話である。私からすると、どう見てもヤブ医者にしか見えなかったのだが巷では『有名な歯医者』らしい。『もう二度と重慶では医者に行かない‼』 と心に誓うのだが、こればかりはどうなることやら……。

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