出て来れば宴会終了の合図‼︎白酒地獄から解放される果物とは?

食あるある
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中国の宴会の終わりを告げる果物
宴会の最後に出てくる果物。これが来れば宴会は終了の合図。

中国に来てから数年間は、酒の席が苦痛で仕方がなかったのである。もちろん、今でも嫌いなのだが、無意味ではない様な感覚である。ではなぜ以前は苦痛だったのか!? その大きな要因は、真の交流が出来なかった事だろう。作法はそれなりに覚えて、粗相(そそう)が無い様に振舞える様にはなっていたが、一番は自分の言葉で交流出来ない事である。通訳を通していては、真に打ち解ける事が出来ない。また言葉が喋れないものだから、言われるままに乾杯、乾杯と続き、お酒のペースは一向に落ちず、お酒を飲まされるだけであった……と、今振り返るとその様な感じであった。

中国の宴会というのは、一気に盛り上がり、大体2時間でさっと2次会へ移行するのが普通である。むしろ、日本人の方がダラダラと3時間、5時間と長引くケースが多い様に思う。このたった2時間だが、当時の私は苦痛で仕方がなかったのである。『早く終わらないかなあ~』と心のどこかで待ち望んでいたのだろう。もしかして、表情や態度に出ていたのかもしれない。

円卓で出される中国料理と言うのは、おおまかなコースみたいなものが存在する。最初は前菜から始まり、炒め物、魚、肉、スープと流れの様なものがある。ご飯はオプションとなっていて、有ったり無かったりである。そして最後にはある果物が出てくる。日本では季節もので、年中は食べれないが、中国では年中食べる事ができて『この果物が出てくれば宴会は終了という合図』である。それは『スイカ』である。

当時の私はこのスイカが待ち遠しくて仕方がなかったのである。なぜスイカが一年中食べれるか⁉ というと、温室で育てるからと聞くが、ある日本のTV で『中国の爆発スイカ』と紹介があった。スイカを切ると泡がプシュ~と出てくるのである。成長剤の使い過ぎと言う説明であった…それから、宴会の時ではスイカが出てきたら、涙が出るくらい嬉しいのであるが、一方で一切食べない様にする様になったのである。

最近ではというと、以前ほど宴会が苦痛ではなくなっている事に気づいた。慣れたから!? お酒が強くなったから!? いやいや、おそらく自分の言葉で自分の意志として伝える事が出来るようになり、打ち解ける瞬間が実感できて来たからだと思っている。『今度プライベートで来い。観光案内してやる!』とか『今度は1人で来て。名物の○○を食べに行こう』『あなたは楽しい奴だ!!』など言われる様になり、宴会がただの飲み損ではなく、得るものがあると感じる様になったのである。

こうして、徐々にではあるが、中国酒文化にも馴染んで行っている。もう以前ほど、スイカが待ち遠しくて仕方がないという事は、自然と少なくなっていったのである。

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