どうした上海⁉︎ 最近やけに空がキレイじゃん!?

経済
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2014年と2019年の上海の空は別世界であった。
2014年と2019年の上海の空は別世界であった。

上海初上陸 私の当時の印象

私は2013年末頃に上海に来たのだが、今でも思い出す、日本から浦東空港に降り立つ飛行機の窓から見える海の色は真っ茶色だったことを。空港から出て外の空気を吸うと何とも言えないガスの様な臭いが鼻の奥を刺激したことを。後々このガスの様な臭いが上海に来たことの実感として、私の鼻が覚えている様で、日本から上海に降り立つ度に『あ~、中国に来たな〜』と臭いで毎回実感するのである。

さらに私が上海に来たばかりの時は、半年間咳が止まらなかった。慣れない環境でストレスもあったのも否めない。そんなに気にも留めていなかったが、空はどんよりと曇り、明らかに人工的な空だったのがその当時の印象である。

もう何が言いたいか想像つくだろうが、その当時、爆発的に話題になった『PM2.5』である。日本でもPM2.5問題が大きく取り上げられており、中国=PM2.5だった時期である。黄砂もゴビ砂漠・タクラマカン砂漠から流されてきており、今思うと『中国から環境被害を受ける日本』がクローズアップされていたピークの時期だった様に思う。

2014年頃の上海の写真。雲はどんよりと曇り、常に刺激臭のするガスで覆われている感じ。
2014年頃の上海の写真。雲はどんよりと曇り、常に刺激臭のするガスで覆われている感じ。

その当時のある日本のニュースで、現地レポーターが北京でマンションの屋上で掃除機の先端にタオルを被せ、10分間放置したら、吸い込み口のタオルの色だけが真っ茶色になった映像を見て、私自身もかなりの衝撃を受けた。上海にいる私は『これは北京の惨状で、上海はそこまで悪くないはず!?』と自分に言い聞かせていたのである。確かに砂漠から偏西風によって流される黄砂とPM2.5が入り混じる度合いは、位置的に北京の方が酷いはずだし、北京から上海までは1200㎞も離れているのだから… などと自分自身に言い訳しても、日本から見れば中国全土が北京の惨状の様に見えるのも無理は無い。

私の日本にいる娘など『中国行ったら空気吸えなくて死ぬ~』などと言っていたのを思い出す。実際に住んでいる私の気持ちも知らずに…ハハハ。


とは言うものの北京ほど酷くは無いにしても、上海も相当高いPM2.5の数値だったことは否定できない。青空や星は見る事が出来ず、常にガスってるのが上海であったのだが、人間の慣れとは怖いもので、半年もするとそれが普通と感じるのであるwww。

PM2.5が800越えの3日間

大気質指数表
大気質指数。国別に指数の捉え方が少し違う様であるがMAX500は共通の様である。

当時の上海は毎日PM2.5指数で200~300程度をうろうろしていた様な記憶がある。それでも重度汚染である。言葉にして書くと結構重めの恐ろしい言葉である…。


2015年だったであろうか⁉ある日、排ガスの様な臭いとともに、霧の様なガスが舞い降りて、視界が殆ど見えない現象が起きた。その原因はやはりPM2.5 である。強烈なガスの刺激臭が鼻を刺激するではないか!! さすがに上海の空気に慣れた鼻も息が苦しくなるほどの強烈な臭いであった。携帯でPM2.5の数値を見るとなんと‼「800越え=有毒・外出禁止」という数値ではないか‼ 通常PM2.5の数値が70を超えると害があるとされている中、800を超える日が3日間も続いたのである。

上海市内ビルの20階から撮影 この時PM2.5は800越え
実際の写真① 上海市内ビルの20階から撮影 この時PM2.5は800越え
実際の写真 上海市内ビルの20階から撮影 この時PM2.5は800越え
実際の写真② 上海市内ビルの20階から撮影 この時PM2.5は800越え

さすがにほとんどのスタッフがマスクをつけての出退勤が続いたのである。当時の中国人や私は殆どマスクを付ける習慣が無く、結構珍しい風景であった。

その2年後、私は重慶に移り住むことになるのだが、その間あれほど酷いPM2.5は一度も経験したことはない。その3日間の間に、たまたま出張に来ていた日本人もいたのだが、人生に一度のいい経験になっただろうwww。

どうした上海?何があったの?

私は2017年末から重慶に移り住むことになったのだが、重慶は重慶で別名『霧都』と言われるぐらい、盆地で霧が濃いことからその様に言われている。また内陸の工業地帯でも有名なので、車の増加に伴い、排ガス問題も酷い時期であった。

それでも重慶に対する当初の私の印象は『上海よりまだ空気は悪くない様だ』であったが、年々酷くなっている気がする…。自然の霧なのか、排ガスなのか、PM2.5なのか分からないが、常に曇っているのである。これが重慶美人と言われる由縁のひとつである。常に曇っているから日焼けせず肌が白くて美人ということである。もっとも曇っている理由が、自然の霧なのか排ガス・PM2.5の類なのかは問わないのであるがwww。

そんな重慶での日々を過ごしているのだが、たまに上海に出張へ行く事がある。驚いたことに2019年上海の空は青々としており、日本と変わらない状況になってしまった。失礼…なってしまったというより、改善されたのである。青空が広がり空気も重慶より新鮮に感じるではないか!? 私が上海に住んでいた当時より、明らかに何かが違う。青空の見える頻度と昔感じた何とも言えないガスの臭いが消えているのである。

最近の上海の写真
最近の上海の写真

まさにどうした上海?何があったの?である。車の交通量はむしろ昔より増えている気がするし、渋滞は酷くなっているのに…。

なぜ上海の空は綺麗になったのか?

今振返るとその当時、中国政府も躍起になってPM2.5や環境問題を抑え込もうとしていた。冬になると酷くなることから、暖房で使用される石炭が原因という噂が流れてきた。その時に偶然見たのが、上海の路上の一台の屋台であったが、警察官20人ぐらいで取り囲まれていて、急にバッと白い煙が上がったので驚いた。野次馬で見に行くと、炭火に水を掛けて消化されたようであった。多勢に無勢にも驚かされたが「そんな一軒の屋台の炭火ごときで改善される訳がないだろう~」と馬鹿にしていたが、まさか!? 屋台撤去の効果か!?


またまた上海の空が綺麗になった理由をスタッフに聞いてみたら、政府の方針で、上海にある無数の工場を環境問題を理由に次々と閉鎖していて、地方へ飛ばしているとの事。やはり独裁政治には定評のある中国政府‼やると決めた事は早い‼有無を言わさず実行に移せるのが強みである。しかし…飛ばされたエリアでまたPM2.5問題が出るのでは!? という疑問はさて置き、何しろ、上海の空は青空になったのである。


こういった政府方針が決まれば、いかようにも出来て、あっという間に変化できてしまう中国。経済発展も速いわけである。今後は環境保全に力を入れる事に期待している。

人生は表裏一体

ところで…私は上海のPM2.5や大気汚染が一番酷い時期に中国上海に来ており、その後重慶に行ったのだが、私はもしかして空気の汚いところを追い掛けているのでは⁉︎ という気がしてきた。上海から追い出された工場がまさか1500kmも離れた重慶に来ているのではないかしらwww。

重慶は数少ない直轄市で都会にも関わらず、結構のんびりしている印象。大気汚染もこれから益々酷くなるのは目に見えているのだが、車やバイクのナンバー規制や工場に対する規制など未だに聞いたことが無い。自由で緩い反面、大気汚染による恩恵にはあずかれない。人生表裏一体、良いこともあれば悪い事もあるということか⁉

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