中国にイノベーターなんているの⁉︎ 玉石混交下での護身術とは!?

根底思想
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キャズム理論の結果『中国にイノベーターはいるの?』という疑問が生まれた。
キャズム理論の結果『中国にイノベーターはいるの?』という疑問が生まれた。

玉石混交の中国社会

中国は玉石混交(石も宝石も混ざっている状態)の社会である。どの分野においても、本物も偽物も入り混じっており、何を摑まされるか分からない状況と常に隣り合わせである。ネットでの買い物、eコマースも世界トップクラスで普及しているが、ネットの商品写真と実際に届いた商品が違っていたなどという話は五万とある。

また、意匠権など、外観が10%違っていれば、中国政府の承認機関が認めてしまう現状。どちらかというと中国の地場産業を守る様な判定がなされてしまうのである。要するにコピー商品の許容範囲が広すぎて、コピー商品があるのが当たり前の社会が形成されているのである。

こういった環境下で、中国でブランディングをしてゆくのは至難の技で、外国企業などは頭の痛い話である。まさに『正直者がバカを見る』という言葉がふさわしいくらい、全うに商売をしている企業においては、納得のいかないことが多いのである。

一方で、国民はというと、コピー商品があることで、所得に応じた買い物が出来き、選択肢が増えるというメリットがある。また、そもそもブランドを知らない・気にしない人も多く、コピー商品であることすら気付かず『安かろう』だけで商品を購入する国民も多いのが現状である。もっともコピー商品が多すぎて、それがコピー商品と気付かないのかも知れないwww。

中国を消費行動の価値観で区分するには?

中国であるクラスターを対象に調査を実施し、消費行動の価値観で区分してみることにした。対象人数は250名、都市・県・農村の9か所にて、6人単位のグループインタビューを実施した。6人単位で250名なので、ザッと40回程度のグループインタビューを実施したことになる。自分でも振り返ると、凄い労力を費やしたと思う。

最初は消費行動の価値観の基本である『キャズム理論』を使う事とした。このキャズム理論というのは、簡単に言うと5段階の価値観に分類するのである。簡単に説明したい。

キャズム理論の5段階
一般的なキャズム理論。イノベーター、アーリーアダプターに火をつけるのが、Marketingの定石。

イノベーター

冒険心にあふれ、新しい情報を採用する人。

アーリーアダプター

流行に敏感で、自ら情報収集する人。いわゆるオピニオンリーダー。

アーリーマジョリティー

比較的慎重な人。

レイトマジョリティー

比較的懐疑的な人。皆が使っているから取り入れる。フォロワー。

ラガード

もっとも保守的な人。世の流れに関心がない。

新しい物好きのイノベーターが最初に買って、流行に敏感なアーリーアダプター、すなわちオピニオンリーダーが買って、アーリーマジョリティーに続き、レイトマジョリティー、すなわちフォロワーが買って、最後に無関心であるラガードが購入するという理論で、イノベーターとアーリーアダプターにいかにアピールするかが新製品普及のポイントであるが、その割合は少なく、16%という理論である。

中国を消費行動の価値観で区分した衝撃の結果

この調査結果を、この割合に当てはめて見たところ衝撃の結果となった。

まず1つ目の衝撃は…

①『イノベーターなんていない‼ アーリーアダプターさえも極少』

新商品だからといって、それだけで調べもせずに衝動買いする人は皆無であるという事であった。よほど慎重に慎重を重ねるのが中国の特徴の様である。

2つ目の衝撃は…

②一般的なキャズム理論の5段階では分類できなかったこと

最終的にキャズムの5段階+2段階=7段階に分ける事とした。中国特融の区分としては

一つは『自称、流行に敏感でも、かなり慎重に周囲の友達が買った後に商品を購入する層』。これは自分は流行に敏感で自信満々であるが、商品を信頼していない層であり、周囲が購入した後に商品を購入する層でかなり多く存在しており、いかにも中国らしい『自信はあるが超慎重な層』であり、新たな発見であった。

2つ目に『質問の内容するら分からない勘違い野郎』で質問の意味すら分からない層である。また、字が読めなく、教育レベルがかなり低い層と言える。本来ならこのような回答は無効とするのだが、グループインタビューを見ていると、農村などでは、ごく当たり前に一定数存在するので、採用する事にしたのである。

自分の身は自分で守り、面子を保つ方式とは?

玉石混交(石も宝石も混ざっている状態)の環境下に加えて、地域所得格差や教育レベル格差、年齢思想格差など、あまりにも色々な格差がある中国である。この中で生きていくにはやはり自分の身は自分で守る事が大切で、何に対しても信用しない傾向にあるようだ。モノの消費に関しては、『周りの親族や友達が買っているのだから、その商品は安心できる。万が一騙されても自分だけじゃない、面子が保てる‼』という層が圧倒的に多く、『赤信号、みんなで渡れば怖くない方式』を地で実践している様である。

因みに、最も信頼できる情報源は親族・親戚の口コミであるwww。それ以外は信じないってことか…。

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