禁煙ブーム到来
中国でもご多聞に漏れず、禁煙ブームが広がってきた。以前は日本ではありえないくらい喫煙者が多く、男性のステイタスではなかろうか⁉ と思うぐらい喫煙者が多かった。何を隠そう私も喫煙者であるので、その点は日本より環境がよく感じるのであるwww。また、会席の席でもタバコは1人で吸うことはご法度。自分が吸いたい時は、周りにタバコを配るのが常識である。要するにタバコはコミュニケーションツールなのである。大阪のアメちゃん的な感覚なのかなwww。
このような環境下で、北京から始まった禁煙ルール、とうとう上海にまで、押し迫ってきたのである。ここからは、私が実際の体験であるが、中国人が規則を守る例として紹介したい。
禁煙ブームによる私の実体験
私の以前の職場は上海の高層ビルの上層階にあり、タバコは同階の非常階段で喫煙が可能であった。普段でもストレスの掛かる中国での業務、よく息抜きに利用していた。ところがある日、そのビル内での喫煙禁止となり、吸いたい場合は、1階外の喫煙所での通達が出た。非常階段には大きく『禁煙』の看板が張られ、灰皿も撤去された。その看板の文面には、『喫煙を発見した場合、罰金200元(3,000円程度)』とも書かれていた。
私は「どうせ皆んな守らないだろう」と高を括っていたのだが…… 実際のところ、その日以来ピタッと中国人スタッフは、1階までエレベーターを使ってタバコを吸いに行き、ルールを守るではないか⁉ 少なくとも、たばこ1本吸うのに10~15分位掛かってしまう。このルールを守らない中国人の対応には、少々驚きを隠せなかったのである。
私はというと、業務多忙の中、タバコ1本に15分の時間が惜しくて、紙コップに水を入れ自家用灰皿を作り、ばれない様に同階の非常階段での喫煙を続けていた。今思えば私のみだったような気がする。とある日、いつものように非常階段で一人でこっそり吸っていると、上の非常階段からビルの管理人、2人が突然降りてきて、「パシャ‼」と写真を撮られた。その場をなんとか取り繕い、一件落着と思ったが、その翌日、総務から呼び出しがあり、写真という証拠付きでお咎めを受けた… 注意のみで罰金はなかったのが救いであるが、反省である…。
中国人にルールを守らせたものとは!?
その後、『なぜ君たちはルールを守るのか⁉︎』と(少しおかしな質問であるが…)スタッフに聞いてみたら、やはり『罰金が嫌』と皆さん同意見。お金を払うのに非常に敏感なのである。また言葉には出さないが、政府が決めた事への諦め感からくる決断が非常に速い‼ これは、市場調査でも感じた事だが、幼少期から『政府は絶対』と、教育を受けていると安易に想定がつくのである。
この経験を踏まえて世間を見てみると、何をするにも罰則がある事柄については、きっちり守っている事に気づいた。反対に罰則がない事柄に対しては何事にも適当に考えるような節がある。
これは会社や業務のルール作りに役立ちそうだなと勉強になった。会社のルールに罰金とは、非常に悲しく、日本ではありえないだろうが、中国は性悪説である。緊急・重要度の高い事案については、検討の価値はありそうである。
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