中国の農村で”もののけ姫”の乙事主様(おっことぬしさま) を喰らう!!

出張体験
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乙事主(おっことぬし):映画”もののけ姫”に出てくる巨大な猪神達の王で巨大な白いイノシシ神。 人間たちとの闘い途中でタタリ神に変貌する姿はなかなか衝撃的である。
乙事主(おっことぬし):映画”もののけ姫”に出てくる巨大な猪神達の王で巨大な白いイノシシ神。 人間たちとの闘い途中でタタリ神に変貌する姿はなかなか衝撃的である。

二日酔いで目覚めた朝

雲南のプーアール茶で有名な普洱市(プーアール)に市場調査に行った時の話である。夕方空港に着いて、いきなり白酒攻撃に遭い、記憶が飛んだ次の日の朝7時…『年に一度の祭りがある』という事で叩き起こされ、車に乗せられ小一時間程走っただろうか!? 景色は農村に変わっていた。まだ、どこで何があるか分からない状態…。

しばらくすると、一軒の農家に着いた。

雲南省の農家の風景

そこでは既に20人くらいの男女が、テキパキと料理の下準備をしていた。野菜を切る人、ドラム缶で湯を沸かす人、魚を捌いている人、食器を洗っている人など、すごく手際が良い。

こんな風景を見ていると、予想はしていたものの嫌な予感が確信に変わるのだった。

人が集まる ➡︎ 宴会が始まる ➡︎ 当然白酒 ➡︎ 客人でしかも外国人1人 ➡︎ 乾杯 ➡︎ 酔い潰れる

こうなるのは目に見えているからである。。。ま、しゃーない、何とかなるか…。

しばらくボッーとしていると、10人くらいで隣の民家に行くので着いて行ったら、小さな小屋に丸々と太った巨大な黒豚が1頭いた。どれぐらい大きいかというと、映画”もののけ姫”に出てくるイノシシ神の乙事主様(おっことぬしさま)を彷彿させるくらい… 100㎏は優に超えているだろう。

農村で育てられた豚、黒豚

私の想像を超える大きさであった。これからこの巨大な黒豚を捌くらしい。私も見るのは人生初めてで二日酔いも醒めるくらい興奮した!(実際は全く醒めないのだけど…そんな気がしたw)

因みに農村で育てられた豚は養殖と違い、巷では高く取引される。農村では子豚を300〜400元(4500〜6000円)で買って育てて大きくするのである。最近の中国では豚肉不足で子豚でも値段が高騰していると思うが、農村での豚の活用方法はとても幅広い。食べて良し!売って良し!保存して良し!栄養良し!の四拍子揃っている万能家畜である。しかも黒豚は地方によっては割高で高級品だそうだ。

「乙事主さま(おっことぬしさま)」手際良く解体される

※ここからは生きた豚を解体する作業である。殺生や解体の画像が含まれているので、動物大好きな方や、見たくない人は飛ばし読みして下さい。それか、五木ひろしのモノマネをして、目を細めながら見て下さい。(少し古いなw)

巨大黒豚を足にロープをつけて連れてゆく風景。

後ろ足の1つを長いロープで縛り、引きずりながら、連れてゆく。当然、黒豚は興奮して抵抗する。

巨大な黒豚を数人で取り押さえる。

大捕物帳の末に取り押さえられる。豚の唸り声と抵抗は激しく、巨体なので威圧感も凄かった‼︎

巨大黒豚を6人掛でテーブルに乗せる。

6人掛かりで、生きたまま黒豚をテーブルの上に寝かせる。『ブヒー‼ ブヒー‼』と抵抗する声が響き渡る。

巨大黒豚の喉をナイフで一突きで殺生する。あっという間に絶命する。

一人がナイフを取り出し、喉元に狙いを定めて一突き『グサッ‼』、『ブヒッ~‼‼』と断末魔を上げて、痙攣するのと同時に脱糞と血の匂いが周囲に立ち込める。一瞬の出来事である。苦しまずに成仏したに違いない‼︎

喉元から流れ落ちる血を洗面器で受けている。無駄にはしない。

我々の若いスタッフは、見るのが怖く逃げていた。私からすると『肉を喰う資格なし』である。我々は殺生をしながら生かされているのである。ベジタリアンになるなら良いが、見届けるべきである。

おそらく農村の人たちは、これが日常であり、毎年恒例のイベントとなっているのだろう。皆さん見慣れていて誰も見に来ないのが何よりの証拠www。

熱湯をかけて豚の毛を取る。

一旦テーブルから下ろし、予めドラム缶で熱しておいた熱湯を掛けたら、黒毛が流れ落ち、我々がよく見るスキンヘッドの豚になった。豚の毛ってこんな風に取るんだね〜。

巨大黒豚の解体作業。

再びテーブルに乗せて、腹が割かれ、内臓が取り出され次々と解体されてゆく。とても手際が良い。昔聞いたことがあるが、捌ける人は150人の村に4人とかの割合だとか。一種の職人芸である。

巨大黒豚の解体作業。あっという間に解体される。

左側の包丁を持った男性が数少ない豚を捌ける人。的確な指示と、役割分担でアッと言う間に捌かれた。こういった職人芸は、この様なOJT (On the Job Training)にて引き継がれていくのだろう。

ゼラチン?を入れて豚の血を混ぜながら固める。実際の作り方はこんなにも生々しい。

ゼラチン?を入れて豚の血を混ぜながら固める。鴨とか豚の血は火鍋などでは定番メニューだが、店で見かけるのは四角くて赤い豆腐みたいである。実際の作り方はこんなにも生々しい。

肉切る女性たち

素晴らしい役割分担とチームワーク。解体する係、部位毎に運ぶ係、切る係…。手際良く見慣れた豚肉に変貌を遂げる。

捌きたての黒豚を炭火で焼いて食べる

お昼時になり、その捌きたての黒豚を炭火で焼いて食べることになった。とても新鮮で美味しいはずなのだが、二日酔いでまだ楽しめない…。きっと激ウマだったはず‼︎

夜の宴会の部「しくじった〜! この席はアカン!!」

そのまま日が落ちるまで待ち、宴会開始。その頃には40人くらい集まっていた。夕方になり、今回の会合で一番エライ人も駆けつけて来て大盛り上がりとなったのである。

実は今回、人生初のことがもう一つある。紙コップに並々と注がれた白酒であるが、今まで飲んだ白酒の中で、もっとも度数がキツく感じた。「60度は軽く超えてんじゃねえか〜⁉︎」と思うぐらいキツかった。おそらく自分らで作っている密造酒というやつだろうか!? 「インドでよく密造酒を飲んで大量に死んだというニュースを見たことあるが、中国では大丈夫なはず!? 」と自分で言い聞かせながら白酒を舐めるのである…。

夜の宴会風景。数人で乾杯している。

ふと気付くと、私の席は一番エライ人の隣ではないか⁉︎ 最初は「このエリアは、酒が強くてあまり来たくないんだ〜」「やっぱりあんたもそうか!?」などと他愛もない話をしていたのだが… 心の中では「しくじった〜! この席はアカン!! なんとかして離れなければ‼︎ 」と思いながら躊躇していると、案の定、彼と乾杯をするために、村の皆んなが、列を成してやって来たではないか!? 私も一応客人、隣にいて一緒に乾杯しない訳にはいかない…… 。

やはりその日も記憶が飛んでしまった。二日連続である……。

朝から二日酔いの中、とても辛く長い一日となったが、豚を捌くのを一部始終見れたことは、我が人生において、とても貴重な体験であった。天に召された乙事主様(おっことぬしさま)に感謝‼︎ 感謝‼︎ である。

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